言わせてみてぇもんだ

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今日は専門外の税務調査のお話でも。

勤め時代の話ですが、年に数回税務調査の立ち会いがありました。税務署にも異動の時期があり、異動までに調査を完了したいようで、調査シーズンというのは毎年決まってます。300件近い顧問先様があっても限られた時期だけで年間数件なわけですから、頻度はそれほど高いわけではありません。
さらには、名目は単なる調査といえど署員も何の成果もナシに帰るわけにもいかないそうで、「お手柄」の可能性がなさそうなところへは行きにくいそうです。もっともだいぶ古い税務署OBの話なので現在ではどうかわかりませんが。

なので調査に来ないところへは20年も来ないし、来るところへはキッチリ3年に一回来たりします。

 

ちなみに当時の事務所は顧問先様に対してしっかり税務や会計の指導をしてたので税務調査はある意味歓迎でした。日頃の成果の発表会みたいなものなので。
でもたまに抜き打ちで来たりもするので、その時は毅然と追い返してました。あくまで任意ですからね。日程と準備をしっかり整えてから来てもらうのですが、それでも見解の相違はつきもので、部分的に会計処理を否認されることもあります。

 

そもそも課税額が大きくなりそうな時は、決算までに打てる手を全て打ちますが、たとえ会計事務所であろうと、劇的な利益圧縮の裏ワザなどそうそうあるものではないので、会計原則に沿って出来ることをコツコツ積み重ねるだけです。
その中で調査の際に見解が割れる可能性のある処理に関して、あらかじめ顧問先様には説明をしますし、結果として調査官との見解の相違の程度が大きくなることはほとんどなく、多額の追徴金が課されることはありませんでした。
会計記帳に関しては、結局「地道」が一番の近道だということを勤め時代にみっちり仕込まれました。今もその信念で会計業務を進めています。

 

税務調査を過度に恐がる必要などありません。不正をしているならともかく、日頃から地道に会計記帳しているなら何の心配もありません。胸を張って、堂々と調査に協力して下さい。
今では調査立ち会いは提携税理士の先生にお任せで、僕は調査の現場には立ち会いません。でも結果として何の指摘もされないのは、会計記帳を業務としている側としては当然ではあるのですが、あらためて「是認!」と言われると正直嬉しいもんです。

また会えるかな

突然ですが、ウチの高校は男子校で、ご多分に漏れず格技の授業がありまして。高校3年の時の校舎が剣道場・柔道場が一緒になってたこともあって、休み時間や放課後は道着のむさくるしい連中がよくウロウロしてました。 

 

許認可の申請先として、初めて警察署へ行った時の印象ですが、それまで警察署なんて開業前はせいぜい駐禁くらいでしか用がなく、上のほうのフロアは未知の領域でした。行ってみるとその署の最上階が剣道場・柔道場になってたこともあって、警察署っつーより、男くさい感じが高3の校舎を彷彿とさせましたねぇ。いや、ウチの校舎のがちょいキレイだったかな。

で、警察署への申請はちょっと注意が必要かな、て話。

 

古物商の営業許可を申請した時のことですが、その署では○○さんがほぼお一人で担当してるようで、だいぶお世話になりました。

 手直しなどないよう何度も電話で確認して、完璧な申請書に仕上げてあとは受理してもらうだけってとこまでこぎ着けたんで、いよいよ申請に行くかな、と思って電話したら「○○は本日非番です」と。マジかー。

 

しまった。そういや警察官や消防官て「平日だから」とか関係ない勤務形態でしたね。

 

ならば、と次の出勤日を聞いてあらためてアポ取りに電話しました。その時○○さんに「その日、お越しになる前に必ずお電話下さい」と言われたものの、ご挨拶みたいなもの、とあまり気にしてませんでした。

 

ところが当日、約束の時間前に○○さんから連絡があったので何事かと思ったら「スミマセン、今日ダメになっちゃいました」と。聞けば事件発生で出動しなければならないとのこと。あの言葉はそういうことか、と納得。

 

後日やっと会えまして。警察署も規模は様々なので、申請受理の担当官がいっぱいいるとこいないとこあるそうです。「ウチは私しかいないので、こういうこと結構あるんですよ」と。警察署への申請は、署によってはこちらの予定通りに申請できないこともあるんでご注意を。

シーラカンス

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おぼえてますかね、以前した会社設立の話。その続き。

 

もう一昔前のことですが、当時の株式会社の取締役の任期は2年。中1の自分が中3になるのはメッチャ未来な感じがしましたが、大人になってからの2年なんてあっという間。株式会社の場合、何もなくてもあっという間に役員改選という登記の機会がやってきてたわけです。その頃は最低資本金制度も存在してて、登記しなくちゃならんことがイッパイ。これらを怠って放っておくと、法務局が職権で会社を解散させることができました。登記官が勝手に会社を潰しちゃうってワケ。

 

ていう最低資本金制度時代に実際にあった話ですが、役員改選を何回分も放置、最低資本金も放置、て株式会社がありまして。これが見事に職権解散させられちゃった。ま、当方としては何度も「このままではヤバいっす」と忠告したのですが、何せ登記の予算がないし、登記官の職権発動がいつなのか明確に決まってないとなると、今日大丈夫なら明日も大丈夫だろ、となるわけです。で、ついに「いつ解散?今でしょ!」となったと。そのまま会社をなくすワケにはいかなので復活させるのですが、これがまた大変。解散の日で決算せねばならず、その時点で税務申告が必要。さらに解散した会社を復活させるので登記やら税務署への届出やら、会社設立に準ずる諸手続が必要。まさに「倍返し」されちゃった。

 

なんと現在では、あれほどクリアに苦労した最低資本金制度はなくなりました。役員任期も定款を整備して最長10年に出来ます。それでも株式会社である以上は役員改選の時期は必ず来るので、放置→職権解散で「じぇじぇじぇ」とならぬようご注意。決して流行語を言いたいだけではないっす。

 

しかし、その観点からすると「有限会社」はしぶとい。役員改選とは無縁なので当時の最低資本金さえ乗り越えたなら、そこからは何年放置されてても勝手に消されることがない。まぁ時間的には以前書いたような税務上のメリットは消えてるはずなので、放置有限会社を積極的に買い取る価値はほとんどないけど、今も深い海の底で静かに生きる古代魚のような放置有限会社はたくさんあるでしょうな。

 

(残り一つの流行語は言わないのかって?もう段落の先頭に仕込んでありますぜ。)

タイムマシーンに乗って

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あけましておめでとうございます。あっという間に新年。はやっ。最後の更新から1ヶ月も経ってるとは思えん。

 

毎年12月は決算書作成の業務もあって、バタバタに過ぎます。役所が休業にはいるのも他の月より早いので余計です。

本来12月の申告期限は明けて翌年にはなりますが、お客様や税務申告書を作成する税理士先生のご都合もあって、年内に申告を済ませてしまうケースが多いのでね。

 

ということで決算書ですが、これが昔に比べてだいぶ違う。というかページが増えた。

「株主資本等変動計算書」や「個別注記表」なんてない頃に勤めを始めたので、初めてこれらを見た時は、ある日突然腹違いの弟が現れたレベルで戸惑いましたねぇ。一度設定すればソフトが作成してくれるので今はラクですが、最初は抵抗感あったなぁ。

 

 株主資本等変動計算書は利益処分案の代わりとして税務申告に必要だけど、個別注記表は税法上は不要。だからって、注記表は建設業の財務諸表には添付するんで、省略ってワケにもいかん。勤め時代にも建設業の財務諸表を作成したけど、当時はどっちもなかったしぃー。他にもたくさんあるんでしょうなぁ、書類が追加になったり、様式そのものが変わったりした許認可。やれ変更だ追加だ、書類作りが本職でも、正直メンドクセー。ま、面倒だからこそ我々代書屋に仕事があるワケですが。

 

で、近いうちに義務になる、ともう既定路線のように言われてるのは建設業許可の「社会保険加入」。これ、単に書類が増えるだけでは済まない。んー。

 

一方では簡略化された許認可もあるんだろうから全て昔に戻してくれぃ、とまでは思わないが、僕らは法律の改変に合わせた上で書類を作るんで、情報を常に最新のものにしておかないとならないのはなかなか骨が折れますわ。

深海

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会社設立の話。

会社を起こす際は、一昔前なら有限でいくか株式でいくか、と悩んだものですが、今は株式でいくか合同会社でいくか、といったところでしょう。

実はそれ以前にもう一つ、二択の選択肢があります。新規で設立するか会社を買い取るか、という二択です。相当マニアックな選択肢ですが。

 

実際、会社の買い取りに携わったことがあります。設立費用節約のメリットは僅かしかありませんが、創業○○年という歴史を買い取るメリットと、赤字会社を買い取る場合に税務面で有利になる場合もあり、そこを狙うのです。

前提としてメリットがある会社を買い取るワケで、買い取られる会社は当然限定されます。お宝を積んだまま深い海の底で静かに眠る会社を、お宝を載せたまま現役復帰させるような感じで、どんな沈没船でも価値があるワケではありません。

沈んでいるお宝の価値を見極める分析力、効率よく引き上げる技術力、再度航行するための整備能力、新旧オーナーの条件に折り合いをつける調整能力、それらが揃わないとなかなかに難しい作業ですが、数年に渡って狙った効果がキッチリ発揮された時には嬉しいものです。

 

節税を考えないとならないような景気のいい話なぞ最近とんと聞きませんからねぇ、今はもう忘れ去られた選択肢ですな。

 

現状あまり積極的に選択されない合同会社も、もうちょっと知名度が上がればいいんですがね。当時の有限会社より費用面でも使い勝手でも、かなり優秀な会社形態なのですが、何せ理解が進みませんねぇ。

NOT FOUND

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今日は建設業許可の話題でも。

 

建設業許可の新規申請時の書類って何やかんや相当な量になりますが、その一つ一つを綿密にチェックしたのに申請窓口で問題発生することはあります。

資格者が以前の勤め先で登録されたまま、退職時にその登録を外してもらってなかった、という事例がありました。

窓口で担当官がデータ検索したら出てきちゃって。当のご本人も登録されてたご記憶もなかったようで。

 

資格者は常勤が鉄則。別々の会社で重複登録はNGなので、前職の会社へ連絡して外してもらわないとなりません。で、先方さんてのがCMでもお馴染み、誰でも知ってる関西本社の大臣許可の大会社でして。

大会社すぎてどこの支店の誰が何の資格で登録されてるか、そこまでは把握してないようで確認に多少の時間はかかったものの、さすがトップ企業、そこからの対応は早かったっす。

 

僕らではデータベースにアクセスできないので、全国規模での登録の有無までは検索できません。県内の調査がせいぜい。申請前の事前相談時にでも役所の窓口で「この人、どっかに登録されてねぇっすか?」と聞くくらいしか方法がありません。あとはご本人に思いだしてもらうか。

先方さんと役所さんのご協力で、休日挟んで2日程でリカバリーできましたが、資格者になる方への聞き取り調査はもっと徹底しなきゃならんな、と反省したお話でした。

隔たり

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遺産分割協議書のご依頼がありました。

 

勤め時代にはかなり作成したんで内容としては問題ないんですが、当時と大きく違うので戸惑ったのはA4用紙が常識になったことに伴い横書きが主流になったことですね。

 

正確に言えば、自分も遺産分割協議書は当時から横書きでしたが、相続関係説明図は縦書きで作成してました。最近、法務局で貰った相関図雛型が横書きだったのでそれに合わせたのですが、横書きテンプレは数字の表記もアラビア数字でいいとか。

 

聞けば登記申請書も横書き+アラビア数字だそうで。今や登記済証もないと。原本還付も基本、戸籍だけだとか。もうね、ドッキリかと。

「いつの時代の話だよww」と笑われそうですが、どの記述は「壱」とか「参」の多角漢数字で、どの記述には「一」とか「三」でいい、とか気にしながら書類作成したものが、今の横書きにはほぼアラビア数字。独り隔世の感。

 

後輩ができた時、きっと「昔はな、ここは『壱』とか表記したんだぞ」とかウザい講釈たれちゃうんだろうな、俺。

blogはじめました

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こんにちわ。

最近、忘れっぽくて。知識や経験をブログにしとこうかと。

 

今日はパスポートの代理申請してきました。パスポートセンターで一般旅券発給です。

ま、建設業許可との関係はかなり薄いですけどね。受付担当も士業が代理で来るのは「珍しい」と。

 

で、自署不要な部分の記入を忘れたら「本人に電話確認とってもいいですか?」って。

えぇーっ、自署不要の箇所は俺が書いてもいいんでしょ?、とか思ったけど。血縁関係のない者の代理だし万全を期したいのかな、と大人しく従いました。記入漏れしたアタシが悪い。

 

でも30分かからずに受理。うーん、余程のことがない限り、こりゃわざわざ行政書士に依頼する業務ではないわな。