トップページ >> 会社設立 >> 株式会社と合同会社の比較

株式会社と合同会社、どちらがいい?

 平成18年の新会社法により新設された合同会社は知名度もまだ低いため、現在のところ決して積極的に選択される会社類型ではありません。ただ、合同会社の特徴をよく理解するとその価値も見えてきます。

合同会社の特徴

 株式会社との比較で合同会社の特徴を解説します。

  1. 役員の任期がない
  2. 株式会社では取締役の任期を最長10年とすることが可能ですが、任期満了の時期は必ず来るので役員改選の登記は避けられません。高額ではないものの費用(一般的には約2万円)負担があります。しかし合同会社は、そもそも「取締役」という概念がありません。原則、出資者全員が株式会社でいう「取締役」です。定款で特別に定めた場合には「代表社員」を決めることができますが、逆に取締役という役職が存在しない以上「代表取締役」は名乗れません。

  3. 決算公告義務がない
  4. 株式会社は債権者保護の観点から、その財務状況を決算終了後に公表しなければなりません。自社サイトなどインターネット上で公開する方法も普及していますが、従来どおり官報で公告する場合には約6万円かかります。合同会社ではその義務がありません。

  5. 株式会社と同じ法人格なのに知名度が低い
  6. 残念ながら歴史も浅いこともあり「合同会社」の認知度は高くありません。取引先が会社でないと取引しない、という事例はよく見られますが、法律上は株式会社と同等なのに「株式会社」でないと取引を断るといった事例が稀にあるようです。注意が必要です。逆に税務では、知名度は関係なく、優遇制度は何もありません。

  7. 社内で意見が割れるとトラブルになりやすい
  8. 合同会社では出資者の発言権は原則、出資額に関わらず同等なので万が一意見が割れた場合に収拾がつかない事態になりかねません。この点が多人数での設立に向かない最大の理由です。

 あえて合同会社を設立する場合の代表的な例は、運営者は自分一人だけど、どうしても会社にしたい事情がある場合。具体的に言えば、ご自身が個人事業の経営者ではなく会社から給与or役員報酬をもらう立場になりたい場合です。つまり所得税の扱いの違いを利用するケースです。最近では資金効率の面から、法人口座でFX(外貨取引)をするのが有利だから一番簡単な方法で法人格が欲しい、というケースもあります。

 合同会社も株式会社へと組織変更が可能です。当初は合同会社で設立し、ステップアップしていく、という選択肢もあると思います。しかし組織変更にも設立時と同程度の費用が発生するため、事業計画をよく検討して設立する会社の種類を選択して下さい。

株式会社と合同会社の比較

 
NEXT > ・・・・・・株式会社の設立
 
NEXT > ・・・・・・合同会社の設立