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建設業許可の要件

専任技術者

 次の要件は「専門の技術者がいるか?」です。この技術者は本社に統括する者が一人いればいい、というものではなく、支店など全ての届出のある営業所に掛け持ち禁止の専属技術者が必要です。

 もっとも、その営業所の中であれば専任技術者が営業所長や経営業務管理責任者を兼務することは可能です。たとえば宅建主任者等、他法令により専任性を求められる資格者も兼務できます。

 ただし、塗装工事の専任技術者しかいない支店や営業所では塗装工事のみ請負可能であって、防水工事を請け負うことはできません。つまり建設業法上は営業所毎に請負可能な工事と請負禁止の工事があるということです。

 経営業務管理責任者の資格は一般許可と特定許可で違いはありませんが、専任技術者は要件に加重的に差があるので間違えないよう注意が必要です。

  1. 学歴と実務経験を有する者
  2.  許可を受けたい建設業の業種の工事に関し、定められた学科の学校を卒業または検定に合格し、定められた年数以上の実務経験が必要です。

     pdfファイル >> 指定学科の一覧表

  3. 実務経験を有する者
  4.  許可を受けたい建設業の業種の工事に関し、10年以上の実務経験が必要です。

  5. 資格を有する者
  6.  許可を受けたい建設業の業種に関し、資格試験等に合格または認定されることが必要です。

     pdfファイル >> 資格・免許の一覧表

  7. 上記の資格で扱える工事よりも大規模の工事を扱う場合の要件(特定建設業)
    1. 上記1.2.3.の要件のうち一つに該当し、かつ4500万円以上の工事につき指導監督的実務経験を2年以上有する者
    2. 国交大臣の認定を受けた者
    3. 資格・免許の一覧表の中の「◎」の資格を持つ者

     上のどれかに該当すれば特定許可の専任技術者となれます。が、土木・建築・電気・管・鋼構造物・ほ装・造園の業種に関しては「2.」か「3.」でなければなりません。

具体的な証明の方法

 実際に経験年数が必要な経営業務管理責任者と違い、試験等に合格さえすれば資格が与えられる専任技術者は証明がやや容易ではありますが、実務経験のみで証明する場合には経営業務管理責任者の場合と同じ困難さがあります。

 10年もの間、許可を要しない工事を続け、実務経験を自ら証明する場合は別としても、大抵は前勤務先に何年分かの実務経験を証明してもらうことになるはずです。勤務先が建設業の許可を受けているか否かに関わらず、勤務先との関係は退職した後も良好に保つべきでしょう。

 実務経験を計算する上で注意しなければならないことは、原則として同時期に2業種以上の実務経験を積んでもどちらか片方の経験しか計算することができないということです。たとえば土木一式工事と建築一式工事に同時に10年従事してもその両方を10年の経験有りとして計算することはできません。ただし一部の例外があり、他業種への振替や経験年数の短縮が可能な場合があるので詳しくはお問い合わせ下さい。

具体的な配置例

 まだ本店しかない若い建設業者ではなかなかあり得ませんが、大手の建設会社では特定許可と一般許可を両方持っていることがあります。専任技術者の配置に関する決まりで、そういった状況が発生します。以下に少し解説します。

例:1

 一つの営業所に一つの業種に関して、専任技術者を2人配置することはできません。下の図での解決策は、一級建築施行管理技士が塗装工事を除いて専任技術者として配置されているなら、塗装の実務経験のみの専任技術者を配置できます。ただし、塗装業の許可は一般になりますので特定許可規模の工事請負は不可です。

具体例1

例:2

 一つの会社で一つの業種に関して、特定・一般の両方の許可を受けることはできません。下の図で言えば、本店で塗装の特定許可を受けているので、支店Aで一般の要件を満たす技術者を異動しても、営業所とは認めらず軽微な工事請負しかできません。この場合は、支店Aでも特定要件を満たす技術者を配置すれば、特定許可の営業所として認められます。

具体例2

例:3

 本店で特定許可を受けた以外の業種であれば、支店に他業種の一般要件を満たす専任技術者を配置できます。下の図で言えば、一級建築施工管理技士なのですが、本店であえて大工の特定許可を受けなければ、支店Bは一般許可の大工工事の営業所として工事請負が可能です。また、その会社として、かつその営業所であれば、宅建業者免許を受けることも可能です。

具体例3

 「営業所として認められない」といってもあくまで建設業法上の話で、営業所独自での許可を要する規模の工事請負が不可である、というだけです。単なる地域の拠点としての営業所を設置することを妨げるものではありません。


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